クロスインデックスの通訳・翻訳コーディネーターの雑感
アメリカで英語は公用語となるか
[2012/08/15] アメリカには国として採用している公用語の規定はない。50州の中で英語を公用語としているのは31州である。
移民の国として知られるアメリカでは、英語をめぐる論争は歴史が深い。古くは1980年代の英語公用化運動から始まり、現在の大統領選でも論争の一つとなっている。
アメリカで英語の次に話者が多い言語は、スペイン語である。1980年代以降、メキシコをはじめとした南アメリカからの移民の流入が著しく増加しているため、スペイン語の話者が増えている。
アメリカの世論調査では、9割近い数が英語公用語化に賛成しているものの、「言語=民族・文化的アイデンティティ」として保持することが許されるべきという意見も根強い。ビジネスチャンスを考えれば英語の習得・公用語化のメリットは明らかだが、他民族・多文化国家のアメリカだけに、そう簡単に解決できる問題ではないようだ。
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